21条
(基準遵守義務)
第21条
動物取扱業者は、動物の健康及び安全を保持するとともに、生活環境の保全上の支障が生ずることを防止するため、その取り扱う動物の管理の方法等に関し環境省令で定める基準を遵守しなければならない。
2 都道府県又は指定都市は、動物の健康及び安全を保持するとともに、生活環境の保全上の支障が生ずることを防止するため、その自然的、社会的条件から判断して必要があると認めるときは、条例で、前項の基準に代えて動物取扱業者が遵守すべき基準を定めることができる。
1.概要
動物取扱業者に、動物の管理の方法等に関する環境省令で定める基準を遵守する義務を課した。
2.対象者
動物取扱業者(第1項)
都道府県、政令指定都市(第2項)
3.解説
1)第1項
(1)環境省令で定める基準の目的
動物の健康と安全の保持
生活環境の支障の防止
(2)環境省令で定める規準
① 販売の時期(対象者:販売業者)
販売業者にあっては、離乳等を終えて、成体が食べる餌と同様の餌を自力で食べることができるようになった動物(哺乳類に属する動物に限る)を販売に供すること。
② 耐性(対象者:販売業者・貸出業者)
販売業者及び貸出業者は、飼養環境の変化及び輸送に対して十分な耐性が備わった動物を販売又は貸出しに供すること。
③ 健康状態の観察(対象者:販売業者・貸出業者)
販売業者及び貸出業者にあっては、2日間以上その状態(下痢、おう吐、四肢の麻痺等外形上明らかなものに限る)を目視によって観察し、健康上の問題があることが認められなかった動物を販売又は貸出しに供すること。
④ 説明義務(対象者:販売業者)
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契約前に動物の特性及び状態に関する情報を記載した文書を交付して適正飼育ができるよう顧客に説明すること。
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文書の受領の証拠として顧客の署名等を受けること。
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「動物の特性及び状態に関する情報」とは次のイからソまでの事項である。
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動物取扱業者を相手方として販売をする場合にあっては、ロからヌまでは必要に応じて説明すればよい。
動物取扱業者は動物に関する知識を持っているからである。
イ 品種等の名称
ロ 性成熟時の標準体重、標準体長その他の体の大きさに係る情報
ハ 平均寿命その他の飼養期間に係る情報
ニ 飼養又は保管に適した飼養施設の構造及び規模
ホ 適切な給餌及び給水の方法
へ 適切な運動及び休養の方法
ト 主な人と動物の共通感染症その他当該動物がかかるおそれの高い疾病の種類及びその予防方法
チ 不妊又は去勢の措置の方法及びその費用(哺乳類に属する動物に限る。)
リ チに掲げるもののほかみだりな繁殖を制限するための措置(不妊若しくは去勢の措置を不可逆的な方法により実施している場合を除く。)
ヌ 遺棄の禁止その他当該動物に係る関係法令の規定による規制の内容
ル 性別の判定結果
ヲ 生年月日(輸入等をされた動物であって、生年月日が明らかでない場合にあっては、推定される生年月日及び輸入年月日等)
ワ 不妊又は去勢の措置の実施状況(哺乳類に属する動物に限る。)
カ 生産地等
ヨ 所有者の氏名(自己の所有しない動物を販売しようとする場合に限る。)
タ 当該動物の病歴、ワクチンの接種状況等
レ 当該動物の親及び同腹子に係る遺伝性疾患の発生状況(哺乳類に属する動物に限り、かつ、関係者からの聴取り等によっても知ることが困難であるものを除く。)
ソ イからレまでに掲げるもののほか、当該動物の適正な飼養又は保管に必要な事項
⑤ ワクチンの接種等に係る証明書を顧客に交付する義務(対象者:販売業者)
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販売業者は、疾病等の治療、ワクチンの接種等を行った動物がいるときは獣医師が発行した疾病等の治療、ワクチンの接種等に係る証明書を顧客に交付すること。
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仕入先から受け取った疾病等の治療、ワクチンの接種等に係る証明書がある場合には、これを交付すること。
⑥ 動物の特性及び状態に関する情報提供義務(対象者:貸出業者)
貸出業者は、貸し出しをする場合に適正な飼養又は保管が行われるように動物の特性及び状態に関する情報を、借り受けようとする者に対して提供すること。
動物の特性及び状態に関する情報とは次のとおり。
イ 品種等の名称
ロ 飼養又は保管に適した飼養施設の構造及び規模
ハ 適切な給餌及び給水の方法
ニ 適切な運動及び休養の方法
ホ 主な人と動物の共通感染症その他当該動物がかかるおそれの高い疾病の種類及びその予防方法
ヘ 遺棄の禁止その他当該動物に係る関係法令の規定による規制の内容
ト 性別の判定結果
チ 不妊又は去勢の措置の実施状況(哺乳類に属する動物に限る。)
リ 当該動物のワクチンの接種状況
ヌ イからリまでに掲げるもののほか、当該動物の適正な飼養又は保管に必要な事項
⑦ 台帳の備え置き
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第4号に掲げる販売に係る契約時の説明と顧客による確認第6号に掲げる貸出し契約時の情報提供の実施状況
以上の件については、様式第11 により記録した台帳を調整すること。
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台帳は5年間保管すること。
⑧ 動物の管理の方法等に関し環境大臣が定める細目の遵守
前各号に掲げるもののほか、動物の管理の方法等に関し環境大臣が定める細目を遵守すること。
(施行規則第8条)
2)第2項
(1)条例への委任
環境省令のほかに、条例で基準を定めることができることとした。
条例を制定できるのは、都道府県又は指定都市である。
目的は環境省令で定める場合と同じく、動物の健康及び安全を保持するとともに、生活環境の保全上の支障が生ずることを防止するためである。
(2)自然的、社会的条件
地域性を考慮したものである。
動物の飼養施設は地域に存在するものであるから、その存在するところの地域性を考慮したものの方が、現実的な基準としてふさわしいと考えたからである。
(3)前項の基準(環境省令で定めた)に代えて
条例で定める基準は、環境省令で定める基準に優先する。
一般的に定めた基準より地域の特殊性を考慮したものの方が、より現実的な基準としてふさわしいと考えたからである。
☞様式第11
☞動物の管理の方法等に関し環境大臣が定める細目
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