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12

 

(登録の拒否)

12 都道府県知事は、第10条第1項の登録を受けようとする者が次の各号のいずれかに該当するとき、同条第2項の規定による登録の申請に係る同項第4号に掲げる事項が動物の健康及び安全の保持その他動物の適正な取扱いを確保するため必要なものとして環境省令で定める基準に適合していないと認めるとき、同項の規定による登録の申請に係る同項第6号口及びハに掲げる事項が環境省令で定める飼養施設の構造、規模及び管理に関する基準に適合していないと認めるとき、又は申請書若しくは添付書類のうちに重要な事項について虚偽の記載があり、若しくは重要な事実の記載が欠けているときは、その登録を拒否しなければならない。

成年被後見人若しくは被保佐人又は破産者で復権を得ないもの

この法律又はこの法律に基づく処分に違反して罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から2年を経過しない者

19条第1項の規定により登録を取り消され、その処分のあった日から2年を経過しない者

10条第1項の登録を受けた者 (以下 「動物取扱業者」という。)で法人であるものが第19条第1項の規定により登録を取り消された場合において、その処分のあった日前30日以内にその動物取扱業者の役員であった者でその処分のあった日から2年を経過しないもの

19条第1項の規定により業務の停止を命ぜられ、その停止の期間が経過しない者

法人であって、その役員のうちに前各号のいずれかに該当する者があるもの

2 都道府県知事は、前項の規定により登録を拒否したときは、遅滞なく、その理由を示して、その旨を申請者に通知しなければならない。

 

1.概要

登録を拒否する場合を法定した。

  これに該当しない場合は、登録をしなければならないこととなる。

 

2.対象者

都道府県知事

 

3.解説

1)第1項

    都道府県知事が登録を拒否しなければならない場合を規定している。

  都道府県知事が拒否しなければならない場合とは、

人の資格要件に関するもの、

適正取り扱いの確保に関するもの、

飼養施設の構造等に関するもの、

申請書・添付書類の虚偽表示に関するもの

に分類して規定している。

 

(1)人の資格要件に関するもの

都道府県知事は、申請者が次に該当するときは登録申請を拒否しなければならない。

これらの者は、動物取扱業者として適正な取り扱いを図ることが難しいと考えられるからである。

 

   成年被後見人若しくは被保佐人又は破産者で復権を得ないもの

動物取扱業者として業務遂行能力に欠けるからである。

   この法律又はこの法律に基づく処分に違反して罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から2年を経過しない者

  動物愛護管理法または処分に違反して罰金以上の刑に処されたときは、本法令順守意識に欠け、その後2年間は動物取扱業者として適正な取り扱いを図ることが難しいとみなされたからである。

19条第1項の規定により登録を取り消され、その処分のあった日から2年を経過しない者

  動物愛護管理法に違反して登録を取消されたときは、本法令の順守意識に欠け、その後2年間は動物取扱業者として適正な取り扱いを図ることが難しいとみなされたからである。

10条第1項の登録を受けた者で法人であるものが第19条第1項の規定により登録を取り消された場合において、その処分のあった日前30日以内にその動物取扱業者の役員であった者でその処分のあった日から2年を経過しないもの

  法人の場合は、役員について判断される。

その役員の在任期間とは取り消されたときから30日以内に役員であったものである。

19条第1項の規定により業務の停止を命ぜられ、その停止の期間が経過しない者

  業務停止処分があったときは、その期間中に新たな動物取扱業の登録申請をしてもそれは認められない。

法人であって、その役員のうちに前各号のいずれかに該当する者があるもの

  法人にあっては役員について判断する。

(法1211号-6号)

  (2)動物の適正な取扱に関するもの

都道府県知事は、動物の健康及び安全の保持その他動物の適正な取扱いついて環境省の基準に適合しないと認めるときは拒否しなければならない。

① 何が、基準に適合していなければならないか。

その営もうとする動物取扱業の種別 (販売、保管、貸出し、訓練、展示)に応じた業務の内容及び実施の方法である。

(法1024号)

    ② どのような基準になっているか

Ⅰ 建物並びに土地の権原

   事業所及び飼養施設の建物並びにこれらに係る土地について事業の実施に必要な権原を有していること。

Ⅱ 販売・貸出業者の事業実施内容の基準適合性

      販売業を営もうとする者、貸出業を営もうとする者の様式第1別記の書類の記載内容が第8条第1号から第7号までに定める内容に適合していること。

 

様式第1別記

 

第8条第1号から第7号まで

販売業者にあっては、離乳等を終えて、成体が食べる餌と同様の餌を自力で食べることができるようになった動物(哺乳類に属する動物に限る。)を販売に供すること。

販売業者及び貸出業者にあっては、飼養環境の変化及び輸送に対して十分な耐性が備わった動物を販売又は貸出しに供すること。

販売業者及び貸出業者にあっては、2日間以上その状態(下痢、おう吐、四肢の麻痺等外形上明らかなものに限る。)を目視によって観察し、健康上の問題があることが認められなかった動物を販売又は貸出しに供すること。

販売業者にあっては、販売をしようとする動物について、その生理、生態、習性等に合致した適正な飼養又は保管が行われるように、契約に当たって、あらかじめ、次に掲げる当該動物の特性及び状態に関する情報を顧客に対して文書(電磁的記録を含む。)を交付して説明するとともに、当該文書を受領したことについて顧客に署名等による確認を行わせること。ただし、動物取扱業者を相手方として販売をする場合にあっては、ロからヌまでに掲げる情報については、必要に応じて説明すれば足りるものとする。

品種等の名称

性成熟時の標準体重、標準体長その他の体の大きさに係る情報

平均寿命その他の飼養期間に係る情報

飼養又は保管に適した飼養施設の構造及び規模

適切な給餌じ及び給水の方法

適切な運動及び休養の方法

主な人と動物の共通感染症その他当該動物がかかるおそれの高い疾病の種類及びその予防方法

不妊又は去勢の措置の方法及びその費用(哺乳類に属する動物に限る。)

チに掲げるもののほかみだりな繁殖を制限するための措置(不妊若しくは去勢の措置を不可逆的な方法により実施している場合を除く。)

遺棄の禁止その他当該動物に係る関係法令の規定による規制の内               

 容

性別の判定結果

生年月日(輸入等をされた動物であって、生年月日が明らかでない場合にあっては、推定される生年月日及び輸入年月日等)

不妊又は去勢の措置の実施状況(哺乳類に属する動物に限る。)

生産地等

所有者の氏名(自己の所有しない動物を販売しようとする場合に限る。)

当該動物の病歴、ワクチンの接種状況等

当該動物の親及び同腹子に係る遺伝性疾患の発生状況(哺乳類に属する動物に限り、かつ、関係者からの聴取り等によっても知ることが困難であるものを除く。)

イからレまでに掲げるもののほか、当該動物の適正な飼養又は保管に必要な事項

販売業者にあっては、契約に当たって、飼養又は保管をしている間に疾病等の治療、ワクチンの接種等を行った動物について、獣医師が発行した疾病等の治療、ワクチンの接種等に係る証明書を顧客に交付すること。また、当該動物の仕入先から受け取った疾病等の治療、ワクチンの接種等に係る証明書がある場合には、これも併せて交付すること。

貸出業者にあっては、貸出しをしようとする動物の生理、生態、習性等に合致した適正な飼養又は保管が行われるように、契約に当たって、あらかじめ、次に掲げるその動物の特性及び状態に関する情報を提供すること。

品種等の名称

飼養又は保管に適した飼養施設の構造及び規模

適切な給餌及び給水の方法

適切な運動及び休養の方法

主な人と動物の共通感染症その他当該動物がかかるおそれの高い疾病の種類及びその予防方法

遺棄の禁止その他当該動物に係る関係法令の規定による規制の内  

  容

性別の判定結果

不妊又は去勢の措置の実施状況(哺乳類に属する動物に限る。)

当該動物のワクチンの接種状況

イからリまでに掲げるもののほか、当該動物の適正な飼養又は保管に必要な事項

第4号に掲げる販売に係る契約時の説明及び顧客による確認並びに第6号に掲げる貸出しに係る契約時の情報提供の実施状況について、様式第11 により記録した台帳を調製し、これを5年間保管すること。

 

様式第11

 

Ⅲ 動物取扱責任者の配置義務

     事業所ごとに、1名以上の常勤の職員が当該事業所に専属の動物取扱責任者として配置されていること。

Ⅳ 職員となるための要件

        事業所ごとに、顧客に対し適正な動物の飼養及び保管の方法等に係る重要事項を説明し、又は動物を取り扱う職員として、次に掲げる要件のいずれかに該当する者が配置されていること。

営もうとする動物取扱業の種別ごとに別表下欄に定める 種別に係る半年間以上の実務経験があること。

営もうとする動物取扱業の種別に係る知識及び技術について1年間以上教育する学校その他の教育機関を卒業していること。

公平性及び専門性を持った団体が行う客観的な試験によって、営もうとする動物取扱業の種別に係る知識及び技術を習得していることの証明を得ていること。

 

Ⅴ 事業所以外の場所での職員の要件

        事業所内でも事業所以外でも同じである。

事業所以外の場所において、顧客に対し適正な動物の飼養及び保管の方法等に係る重要事項を説明し、又は動物を取り扱う職員は、前号イからハまでに掲げる要件のいずれかに該当する者であること」と規定している。

Ⅵ 飼養施設を現に有し又は設置見込みがあるか

       事業の内容及び実施の方法にかんがみ事業に供する動物の適正な取扱いのために必要な飼養施設を有し、又は営業の開始までにこれを設置する見込みがあること。

(施行規則第3条)

  (3)飼養施設に関する基準

① 何が基準に適合しなければならないか

飼養施設の構造及び規模及びの管理

(法1026号ロ、ハ)

    どのような基準になっているか

Ⅰ 飼養施設

    飼養施設は、前条第2項第4号イからワまでに掲げる設備等を備えていること。

☞ 前条第2項第4号イからワとは

ケージ等(動物の飼養又は保管のために使用するおり、かご、水槽等の設備)

照明設備(営業時間が日中のみである等当該設備の必要のない飼養施設を除く。)

給水設備

排水設備

洗浄設備(飼養施設、設備、動物等を洗浄するための洗浄槽等)

消毒設備(飼養施設、設備等を消毒するための消毒薬噴霧装置等)

汚物、残さ等の廃棄物の集積設備

動物の死体の一時保管場所

餌の保管設備

清掃設備

空調設備(屋外施設を除く。)

遮光のため又は風雨を遮るための設備(ケージ等がすべて屋内にある等当該設備の必要のない場合を除く。)

訓練場(飼養施設において訓練を行う訓練業(動物の訓練を業として行うことをいう。)を営もうとする者に限る。)

       Ⅱ 衛生動物の侵入

ねずみ、はえ、蚊、のみその他の衛生動物が侵入するおそれがある場にあっては、その侵入を防止できる構造であること。

Ⅲ 付属設備

床、内壁、天井及び附属設備は、清掃が容易である等衛生状態の維持及び管理がしやすい構造であること。

Ⅳ 逸走防止

飼養又は保管をする動物の種類、習性、運動能力、数等に応じて、その逸走を防止することができる構造及び強度であること。

Ⅴ 規模

飼養施設及びこれに備える設備等は、事業の実施に必要な規模であること。

Ⅵ 空間の確保

飼養施設は、動物の飼養又は保管に係る作業の実施に必要な空間を確保していること。

Ⅶ ケージ等

      飼養施設に備えるケージ等は、次に掲げるとおりであること。

耐水性がないため洗浄が容易でない等衛生管理上支障がある材質を用いていないこと。

底面は、ふん尿等が漏えいしない構造であること。

側面又は天井は、常時、通気が確保され、かつ、ケージ等の内部を外部から見通すことのできる構造であること。ただし、当該飼養又は保管に係る動物が傷病動物である等特別の事情がある場合には、この限りでない。

飼養施設の床等に確実に固定する等、衝撃による転倒を防止するための措置が講じられていること。

動物によって容易に損壊されない構造及び強度であること。

Ⅷ 構造、規模の適合性

構造及び規模が取り扱う動物の種類及び数にかんがみ著しく不適切なものでないこと。

(施行規則32項)

 

   (3)申請内容の重要事項に関するもの

申請書若しくは添付書類のうちに重要な事項について虚偽の記載があり、若しくは重要な事実の記載が欠けているときには登録を拒否される。

     ① 重要な事項

重要な事項についてであり、軽微なものについては補正で修正すればよい。

      ② 虚偽の記載

虚偽の記載とは悪意性を判断するものでなく、間違っていてしかも補正が不可能な場合をいうと解すればよい。

何故ならば欠如と同じく重要性を要件としているからである。

      ③ 実務

一般理論としてはこのような扱いを法定するが、実務上では欠けているときは書いて提出するよう求め、虚偽の場合は書き直して提出するように求めて法定の不備を埋めている。

        そして、拒否される場合とは、改めて提出したものでは登録の要件を満たしていないと判断された場合である。

 

 2)第2項

都道府県知事は、前項の規定により登録を拒否したときは、遅滞なく、その理由を示して、その旨を申請者に通知しなければならない。

  (1)遅滞なく

申請者は、登録されるか否かの結果を待っているのであるから遅滞なくすることが必要となる。

 

  (2)理由を示して

      結論には必ず理由があり、これを開示するのは公的機関として当然。

      新聞報道などを見ると、警察の判断は、警察官の職務執行などについて結論のみを「職務執行は適正であった」と述べてこれで許されるものとしている。

     警察だけは異常な機関である。



    



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