31~33条
(飼養又は保管の万法)
第31条
特定動物飼養者は、その許可に係る飼養又は保管をするには、当該特定動物に係る特定飼養施設の点検を定期的に行うこと、当該特定動物についてその許可を受けていることを明らかにすることその他の環境省令で定める方法によらなければならない。
1.概要
特定動物飼養者は、飼養又は保管の方法について、点検を定期的に行うこと許可証を明示することなどの義務を定めた。
2.対象者
特定動物飼養者
3.解説
許可に係る飼養又は保管をするにあたっての義務は次のとおりである。
1)特定動物に係る特定飼養施設の点検を定期的に行うこと
逃走の危険を防ぐために施設の定期点検を行う必要があるからである。
2)許可を受けていることを明らかにすること
許可を受けているならば、それがわかるようにしておく必要があるからである。
環境省令では、「法第26 条第1項の許可を受けていることを明らかにするためのマイクロチップ又は脚環の装着その他の環境大臣が定める措置を講じ、様式第20 により当該措置内容を都道府県知事に届け出ること」と定めている。
3)環境省令で定める方法
① 特定飼養施設の点検を定期的に行うこと。
環境省令でもう一度書いてある。
② 特定動物の飼養又は保管の状況を定期的に確認すること。
動物そのものの飼養・保管についても定期的に確認することを義務付けた。
③ 特定動物の飼養又は保管を開始したときは、特定動物の種類ごとに、当該特定動物について、法第26 条第1項の許可を受けていることを明らかにするためのマイクロチップ又は脚環の装着その他の環境大臣が定める措置を講じ、様式第20 により当該措置内容を都道府県知事に届け出ること。
ただし、改正法附則第5条第1項の規定により引き続き特定動物の飼養又は保管を行うことができる場合においては、同条第3項の規定にかかわらず、この限りでない。
マイクロチップ又は脚環の装着によって許可を受けていることを表示、その他の環境大臣が定める措置をして都道府県知事に届けなければならないことを義務付けた。
⇒様式第20
④ 前各号に掲げるもののほか、環境大臣が定める飼養又は保管の方法によること。
飼養又は保管について、既に定めた前各号の他、更に必要な環境省令を定めれば前各号と同等に扱うとの意図のようであるが、環境省令が追加されれば当然そのまま適用されるのでこの条項は必要ない。
本条の法律にいくつかを具体的に定めた後、「その他の環境省令で定める方法によらなければならない」とした記述方式に引きずられてのものであろう。
しかし、環境省令でなくても環境大臣が通達などで保管の方法を定めることができるとの旨を意図してのものであれば理解はできる。
(施行規則第20 条)
(特定動物飼養者に対する措置命令等)
第32条
都道府県知事は、特定動物飼養者が前条の規定に違反し、又は第27条第2項 (第28条第2項において準用する場合を含む。)の規定により付された条件に違反した場合において、特定動物による人の生命、身体又は財産に対する侵害の防止のため必要があると認めるときは、当該特定動物に係る飼養又は保管の方法の改善その他の必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
1.概要
都道府県知事は、特定動物使用者が義務に違反していて、特定動物が人の生命、身体又は財産に対する侵害する可能性があるときは、その防止のため必要な措置をとるべきことを命ずることができることとした。
2.対象者
都道府県知事
3.解説
1)違反の態様
31条の規定または27条第2項で付された条件に違反した場合である。
31条:特定飼養施設の点検を定期的に行うこと
許可を受けていることを明らかにすること
環境省令で定める方法によること
27条2項:特定動物による人の生命、身体、財産に対する侵害防止のための許可につけられた条件
2)侵害の可能性の態様
特定動物による人の生命、身体又は財産に対する侵害が存在すること。
3)必要な措置
都道府県知事は、侵害の防止のために飼養・保管の方法の改善その他必要な措置を命じることができる。
(報告及び検査)
第33条
都道府県知事は、第26条から第29条まで及び前2条の規定の施行に必要な限度において、特定動物飼養者に対し、特定飼養施設の状況、特定動物の飼養又は保管の方法
"その他必要な事項に関し報告を求め、又はその職員に、当該特定動物飼養者の特定飼養施設を設置する場所その他関係のある場所に立ち入り、特定飼養施設その他の物件を検査させることができる。
2 第24条第2項及び第3項の規定は、前項の規定による立入検査について準用する。
1.概要
都道府県知事の特定動物使用者に報告を求めることができることと職員を施設内に立ち入り検査させることができることを定めた。
2.対象者
都道府県知事
3.解説
1)第1項
(1)権限の範囲
第26条から第29条まで及び前2条の規定の施行に必要な限度である。
次の内容を実施するのに必要な範囲であることが必要である。
l
第26条(特定動物の飼養・保管の許可)
l
第27条(許可の基準)
l
第28条(変更の許可など)
l
第29条(許可の取り消し)
l
第31条(飼養・保管の方法)
l
第32条(特定動物飼養者に対する措置命令)
(2)報告・検査の対象
特定飼養施設の状況、特定動物の飼養又は保管の方法その他必要な事項についてである。
次の対象を調査するのに必要な範囲であることが必要である。
l
特定飼養施設の状況
l
特定動物の飼養又は保管の方法
l
その他必要な事項
(3)どのような行為を行えるか
都道府県知事は、特定動物飼養者に報告を求め、職員に特定飼養施設を設置する場所その他関係のある場所に立ち入り検査することができる。
2)第2項
(1)法24条2項および3項を準用している。
☞法24条2項および3項とは
① 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示しなければならない。
② 第1項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(法24条2項および3項)
(2)特定動物に係る立入検査の身分証明書
☞様式第21
(施行規則21条)
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